2026年5月06日

「布団に入ってもなかなか眠れない」「夜中に何度も目が覚める」「朝早く目が覚めてしまう」
こうした不眠の悩みは、多くの方が抱えています。薬に頼らず改善したい場合、日常生活の中での工夫がとても重要になります。ここでは実践しやすい方法をご紹介します。
眠ろうとしすぎない
眠れないと「早く寝なければ」と焦りが強くなり、かえって脳が覚醒してしまいます。
布団の中で長時間過ごすほど、「布団=眠れない場所」と学習されてしまうこともあります。
20~30分ほど眠れないと感じたら、一度布団を出て、照明を落とした部屋で静かに過ごしましょう。読書や軽いストレッチなど、リラックスできる行動がおすすめです。眠気が戻ってきたタイミングで再び布団に入ることがポイントです。
生活リズムを整える
睡眠の質を高めるうえで最も重要なのが、規則正しい生活リズムです。
特に大切なのは「起きる時間を一定にすること」です。眠れなかった日でも、できるだけ同じ時間に起きるようにしましょう。起床後はカーテンを開け、朝の光を浴びることで体内時計がリセットされます。
休日の寝だめはリズムを崩す原因になります。平日との差は1~2時間以内に抑えるのが理想的です。
日中の過ごし方を見直す
日中の活動量は、夜の眠りに大きく影響します。
適度な運動(ウォーキングなど)は深い睡眠を促しますが、就寝直前の激しい運動は逆効果になることがあります。運動は日中から夕方までに行うのがよいでしょう。
また、昼寝をする場合は20~30分以内にとどめ、夕方以降は避けることが大切です。長すぎる昼寝は夜の眠気を弱めてしまいます。
寝る前の習慣を整える
就寝前の過ごし方も重要なポイントです。
スマートフォンやパソコンの画面は脳を刺激し、眠気を妨げます。寝る1時間前からは使用を控えるのが理想です。
代わりに、ぬるめのお風呂に入る、静かな音楽を聴く、ゆっくり深呼吸をするなど、リラックスできる習慣を取り入れましょう。入浴は就寝の1~2時間前に済ませると、自然な眠気につながりやすくなります。
カフェイン・アルコールに注意する
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインは、数時間にわたり覚醒作用が続きます。午後以降は控えるのが安心です。
また、アルコールは寝つきを良くするように感じることがありますが、実際には睡眠を浅くし、夜中に目が覚めやすくなります。寝酒が習慣になっている場合は、少しずつ減らしていきましょう。
考えごとへの対処
夜になると不安や心配ごとが浮かび、眠れなくなることがあります。
そのようなときは、寝る前に考えていることを書き出してみましょう。頭の中が整理され、眠りやすくなることがあります。
「今すぐ解決しなくてよい」「明日考えればよい」と区切りをつけることも大切です。
まとめ
不眠への対処は、「特別なことをする」よりも「日々の習慣を整えること」が基本になります。
眠ろうと焦らず、生活リズムや寝る前の過ごし方を少しずつ見直すことで、自然な眠りに近づいていきます。
一方で、不眠が長く続く場合や日中の生活に支障が出ている場合には、医療機関への相談も重要です。無理をせず、自分に合った方法を見つけながら、心と体を休める睡眠を大切にしていきましょう。
執筆・監修
藤田 朋大(医師/精神科・心療内科/産業医)
TOMOぬくもりメンタルクリニック院長
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