不眠症
不眠症

睡眠障害とは、睡眠の量や質に何らかの問題が生じ、その結果として日中の生活に支障が出ている状態を指します。なかでも最も多いのが「不眠症」です。単に「眠れない日がある」という一時的な不調ではなく、十分な睡眠時間が確保できない、あるいは睡眠の質が低下している状態が続き、仕事や家事、学業などに影響が及んでいる場合に不眠症と診断されます。
不眠症にはいくつかのタイプがあります。
これらは単独でみられることもあれば、複数が重なって現れることもあります。また、年齢や生活環境、基礎疾患の有無によっても症状の出方は異なります。高齢になると中途覚醒や早朝覚醒が増える傾向がありますが、「年齢のせい」と思い込まず、つらさが続く場合には評価が必要です。
睡眠障害の改善には、まず生活リズムや睡眠環境の見直しが基本となります。しかし、それだけでは改善しないケースも少なくありません。その場合には、心身の状態を総合的に評価し、適切な治療を行うことが重要です。
不眠の背景には、心理的要因、身体的要因、環境要因など、さまざまな要素が関与しています。ひとつの原因だけでなく、複数の要因が絡み合っていることも多く、丁寧な問診がとても重要です。
ストレス
仕事上のプレッシャー、家庭内の問題、人間関係の悩みなどのストレスは、交感神経を高ぶらせ、脳を覚醒状態に保ちます。慢性的なストレスは不眠を固定化させる要因になります。
身体の病気
高血圧、心疾患、呼吸器疾患、糖尿病、関節リウマチ、慢性疼痛などがあると、夜間の息苦しさや痛み、頻尿などが原因で眠りが妨げられることがあります。
こころの病気
うつ病や不安障害では、不眠が初発症状となることが少なくありません。特に早朝覚醒や熟眠感の欠如はうつ病の特徴的な症状の一つです。「眠れない」という訴えの背景に、こころの不調が隠れていることもあります。
服薬の影響
一部の降圧薬、甲状腺製剤、ステロイド薬、抗がん剤などは覚醒を促す作用を持つことがあります。服薬中の薬剤が影響している可能性もあるため、自己判断で中止せず必ずご相談ください。
刺激物の摂取
カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)、ニコチン、アルコールは睡眠に影響を与えます。特にアルコールは一時的に眠気を誘いますが、夜間覚醒を増やし睡眠の質を低下させます。
生活リズムの乱れ
夜型生活、交代勤務、長時間のスマートフォン使用などにより体内時計が乱れると、自然な眠気が生じにくくなります。
環境要因
騒音、照明、室温、寝具の不適合なども不眠の原因になります。とくに就寝前の強い光(スマートフォンやタブレット)は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。
また、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害など、特定の身体疾患が原因となる睡眠障害もあります。これらは専門的な検査や治療が必要となります。
睡眠障害では、夜間の不眠症状だけでなく、日中のさまざまな不調が現れます。
さらに、日中の強い眠気、集中力の低下、判断力の低下、意欲の減退、頭痛、肩こり、胃腸症状、イライラや抑うつ気分などがみられることもあります。慢性的な睡眠不足は、高血圧や糖尿病、うつ病のリスクを高めることも知られています。
複数当てはまる場合は、睡眠障害の可能性があります。
診断は、まず詳細な問診から始まります。睡眠時間、寝つきまでの時間、夜間覚醒の回数、日中の眠気の程度、生活習慣、服薬内容などを確認します。
治療は原因と症状に応じて段階的に行います。
不眠に対する過度な不安や誤った思い込みを修正する治療法です。睡眠制限法、刺激制御法、認知再構成法などを組み合わせ、自然な睡眠リズムを取り戻します。再発予防にも有効とされています。
必要に応じて睡眠導入薬や睡眠維持改善薬を使用します。依存を避けるため、最小限の量・期間で慎重に用います。また、原因疾患がある場合はその治療を優先します。
「眠れない」という悩みは決して珍しいものではありません。しかし、慢性化すると心身に大きな影響を及ぼします。睡眠は健康の土台です。生活の見直しだけでは改善しない場合や、つらさが強い場合には、どうか一人で抱え込まずご相談ください。
当院では、丁寧な問診と適切な評価を通じて、お一人おひとりに合った治療方針をご提案いたします。安心して休息できる毎日を取り戻すために、全力でサポートいたします。
数日眠れないだけでは不眠症とは限りません。週に3回以上の不眠が続き、それが1か月以上持続し、日中の生活に支障が出ている場合は不眠症が疑われます。期間やつらさの程度を総合的に判断します。
適切な種類と量を、医師の管理のもとで使用すれば、必ずしも依存するわけではありません。必要最小限・短期間の使用を基本とし、状態をみながら徐々に減量・中止を目指します。
アルコールは一時的に眠気を誘いますが、夜中に目が覚めやすくなり、睡眠の質を低下させます。習慣化すると不眠を悪化させるため、睡眠目的の飲酒はおすすめできません。
加齢により睡眠が浅くなる傾向はありますが、強い不眠や日中の不調がある場合は治療の対象になります。「年のせい」と決めつけずご相談ください。
ご不明点が解消しない場合は、よくある質問ページもご覧ください。
それでもご不安な場合は、お気軽にご相談・ご予約いただけます。
睡眠障害(不眠症)は、単なる「寝不足」ではなく、心身のバランスの乱れが背景にあることの多い疾患です。放置すると集中力の低下や気分の落ち込み、生活習慣病の悪化など、さまざまな影響を及ぼします。
治療は、生活習慣の見直しを基本とし、必要に応じて精神療法や薬物療法を組み合わせながら進めていきます。原因や症状は人それぞれ異なるため、個々に合った対応が大切です。
「眠れないことがつらい」「日中の生活に支障が出ている」と感じたときは、我慢せず早めにご相談ください。適切なサポートにより、安心して眠れる毎日を取り戻すことが可能です。
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