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なぜ5月にこころやからだの不調が出やすいのか―「五月病」と呼ばれる状態について―

なぜ5月にこころやからだの不調が出やすいのか―「五月病」と呼ばれる状態について―|蒲田心療内科・精神科|TOMOぬくもりメンタルクリニック|オンライン診療

2026年5月09日

なぜ5月にこころやからだの不調が出やすいのか―「五月病」と呼ばれる状態について―

4月から新年度が始まり、入学、就職、異動、転勤、引っ越しなど、大きな環境の変化を経験する方は少なくありません。
最初は緊張感や気力で乗り切れていても、ゴールデンウィークを過ぎた頃から「なんとなく調子が悪い」「朝起きるのがつらい」「気分が落ち込む」と感じる方が増えてきます。
一般的には「五月病」と呼ばれることもありますが、正式な病名ではありません。
ただし、その背景にはストレスや疲労、自律神経の乱れ、適応障害やうつ病などが隠れている場合もあります。
今回は、なぜ5月に不調が出やすいのか、どのような症状に注意したらよいのか、そして対処法についてわかりやすく解説します。

5月は「変化の反動」が出やすい時期

4月は、多くの人にとって環境が大きく変わる季節です。

・新しい職場や学校
・人間関係の変化
・生活リズムの変化
・新しい仕事内容
・一人暮らしの開始

こうした変化は、本人が思っている以上に大きなストレスになります。
特に4月は、「頑張らなければ」という気持ちが強く、無意識に緊張した状態が続いています。
そのため、疲労やストレスを感じにくくなっていることも少なくありません。
しかし、ゴールデンウィークで少し気が緩むと、それまで抑えていた疲れやストレスが一気に表面化します。
これが、5月に不調が出やすい大きな理由の一つです。

自律神経の乱れも関係している

5月は気候が安定しているように見えて、実は寒暖差や気圧変化が多い時期でもあります。

・朝晩の寒暖差
・低気圧によるだるさ
・雨の日の増加
・日照時間の変化

こうした変化は、自律神経に負担をかけます。
自律神経は、体温調整、睡眠、胃腸の働き、心拍などを調整する重要な神経です。
ストレスや生活リズムの乱れが続くと、自律神経のバランスが崩れやすくなります。

5月にみられやすいからだの症状

・疲れが取れない
・朝起きられない
・動悸がする
・胃腸の調子が悪い
・頭痛や肩こりが続く
・めまいがする

といった身体症状が出ることがあります。

5月にみられやすいこころの症状

・やる気が出ない
・気分が落ち込む
・イライラする
・集中できない
・何をしても楽しくない
・人と会うのがおっくう
・仕事や学校に行きたくない

最初は「少し疲れているだけ」と感じていても、無理を続けることで悪化してしまう場合があります。
また、真面目で責任感の強い方ほど、「自分が弱いだけ」「もっと頑張らないと」と無理を重ねやすい傾向があります。

「五月病」とうつ病は違う?

「五月病」という言葉は広く使われていますが、医学的な診断名ではありません。
一時的な疲労やストレス反応で自然に改善する方もいますが、症状が長引く場合には、

・適応障害
・うつ病
・不安障害

などが関係していることもあります。特に注意したいのは、以下のような状態です。

・2週間以上つらい状態が続いている
・眠れない、または寝すぎる
・食欲が大きく低下している
・涙が出る
・出勤や通学ができない
・趣味も楽しめない
・「消えてしまいたい」と感じる

こうした症状がある場合は、「そのうち治るだろう」と我慢しすぎないことが大切です。

連休明けに悪化しやすい理由

ゴールデンウィーク明けに急に調子を崩す方は少なくありません。理由としては、

・休み中に生活リズムが崩れる
・仕事や学校へ戻る不安
・「また始まる」という憂うつ感
・休むことで逆に疲労を実感する

などが考えられます。

特に、連休中に昼夜逆転になったり、睡眠時間が不規則になると、自律神経がさらに乱れやすくなります。
休み明けに強いストレスを感じること自体は珍しいことではありません。
ただし、「毎朝吐き気がする」「涙が止まらない」「電車に乗れない」といった状態まで強くなっている場合は注意が必要です。

5月の不調への対処法

まずは生活リズムを整える

基本的ですが、とても大切です。

・毎日同じ時間に起きる
・朝に日光を浴びる
・夜更かしを減らす
・食事を抜かない
・軽い運動をする

これだけでも、自律神経の安定につながります。
特に朝の日光は、体内時計を整えるうえで重要です。

「頑張りすぎていないか」を見直す

新生活では、知らないうちに無理を重ねていることがあります。

・常に気を張っている
・人に合わせすぎている
・休んでいても仕事を考えている
・「迷惑をかけてはいけない」と思いすぎる

こうした状態が続くと、心身ともに疲弊していきます。
意識的に「休む時間」を確保することも必要です。

一人で抱え込まない

不調が続くと、「弱音を吐いてはいけない」と考えてしまう方もいます。
しかし、つらいときに相談することは決して悪いことではありません。
家族や友人、職場、学校の相談窓口など、話せる相手に相談してみることも大切です。

まとめ

5月は、環境変化によるストレスや疲労が表面化しやすい時期です。
「なんとなくつらい」「やる気が出ない」と感じるのは、決して珍しいことではありません。
ただし、不調を我慢し続けることで、適応障害やうつ病へつながる場合もあります。

・眠れない
・気分の落ち込みが続く
・朝が極端につらい
・仕事や学校に行けない

こうした状態が続いている場合は、早めに相談することが大切です。
こころやからだの不調は、無理を重ねるほど回復に時間がかかることがあります。
「まだ頑張れる」ではなく、「少し休んだほうがいいかもしれない」という視点を持つことも大切です。

執筆・監修

藤田 朋大(医師/精神科・心療内科/産業医)
TOMOぬくもりメンタルクリニック院長
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